〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

130年前のきょう この人がこの世に生を受けた


[♪ Happy Birthday, dear TAKUBOKU ♪ ]


啄木生誕130年 時代を超えて心に響く -岩手日報 論説-

  • 130年前のきょう、この人物がこの世に生を受けたことは、日本の文化にとって大きかった。

  石川啄木、本名石川一。

  • 特に、歌人としての存在感が際立つ。作品は今もなお人々に愛され、口ずさまれる。時代を鮮やかに投影した歌が、時代を超えて響く。
  • 現代歌壇第一人者の永田和宏さんは著書「近代秀歌」(岩波新書)で、明治・大正期を中心に「誰もが知っているような、あるいは誰もに知っていて欲しいと思う」100首を紹介。そのうち啄木の歌は9首ある。
  • 「近代歌人のなかでもっとも愛誦(あいしょう)歌の多い歌人はと尋ねられれば、誰もが迷うことなく啄木と答えるだろう」と評す。「はたらけど/はたらけど猶(なほ)わが生活(くらし)楽にならざり/ぢつと手を見る」。ワーキングプアの増加が示す格差社会が指摘される中、あらためて注目される歌となっている。
  • 世代を超えて愛され、全国に熱いファンがいる。没後100年の2012年時点で国内に歌碑が170余基も建立されているのはその象徴と言えよう。また、作品に関する研究が多くの人によって重ねられ、「国際学会」を組織しての発表も行われている。
  • 「石をもて追はるるごとく」古里を出た歌人は、古里に愛され続ける。

(2016-02-20 岩手日報>論説)

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