〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

台座に三陸海岸の石や貝殻を埋めて 啄木歌碑建立


[カツラ]


啄木と釜石のつながり示す〜青葉通りに歌碑建立

  • 岩手を代表する歌人石川啄木と釜石とのつながりを示す歌碑が、釜石市大町の青葉通り緑地に建立された。啄木の母方のいとこで医師として釜石の医療に尽力した工藤大助さん(故人)のひ孫、大町で歯科クリニックを開業する工藤英明さんら親族が中心となり建立。4日、現地で除幕式が行われ、関係者約60人が釜石初の啄木歌碑の完成を祝った。
  • 野田武則市長は「中心市街地の観光資源ともなり、啄木と釜石の関係を知らせ、啄木の功績を一層発信してくれるものと思う」と祝辞を述べた。
  • 歌碑には、短歌「ゆゑもなく海が見たくて海に来ぬ こころ傷みてたへがたき日に」が刻まれた。啄木が1910(明治43)年に詠んだ歌で、歌集「一握の砂」に収録されている。台座には三陸海岸の石や貝殻が埋め込まれた。製作は釜石市の仲野石材店が請け負った。
  • 啄木は1900(明33)年、中学の同級生と盛岡から内陸を南下し三陸沿岸を北上する旅を行った。最終地の釜石には当時、いとこの大助さんが医師として赴任しており、啄木は大助さん宅に2週間ほど滞在した。啄木の釜石訪問は、共に旅をした同級生の船越金五郎が残した日記で詳細が明らかになった。歌碑には、その日記の記述も刻まれている。

(2015-10-14 縁とらんす>復興釜石新聞)

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