〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木が愛した「鶴飼橋」

[タウン紙「マ・シェリ」]


◎盛岡地域 タウン紙「マ・シェリ
北上川 橋物語
 ズームアップ ③ 「鶴飼橋」
北上川にかかる岩手の116の橋の中から、ひとつの橋にスポットを当てて紹介。今回は、啄木が愛した「鶴飼橋」。

  • 多くのファンを持つ、歌人石川啄木。旧渋民村の出身である啄木の作品中に、たびたび登場するのが「鶴飼橋(つるがいばし)です。たとえば、詩集「あこがれ」に収められている「鶴飼橋に立ちて」という詩には…。〈 橋はわがふる里渋民の村、北上の流に架したる吊り橋なり 〉という一文に続き、鶴飼橋から見る岩手山の素晴らしさや、月夜の晩に友だちを訪ねた帰り、この吊り橋で低く吟じて楽しんだことなどが綴られています。
  • 啄木が愛した鶴飼橋は、明治30年に架けられた木の吊り橋で、「追はるるごとく」故郷を後にした時に渡ったのも、もちろん、この吊り橋。そして好摩駅から、函館に向かったのです。
  • 実は現在、3つの鶴飼橋が存在します。ひとつは、自動車優先の鶴飼橋。ふたつ目は、そのすぐとなりの歩行者専用の鶴飼歩道橋。3つ目が、鶴飼橋から80mほど上流の吊り橋の鶴飼橋です。
  • 鋼鉄製の吊り橋は、啄木時代の木の吊り橋とは比べられないほど立派ですが、ここから望む岩手山の美しさは昔のまま。啄木がこの橋を愛した理由がわかるようです。


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