〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「われは知る、テロリストのかなしき心を」石川啄木の詩「ココアのひと匙(さじ)」

10歳の少女が自…[大弦小弦] 沖縄タイムス

  • 10歳の少女が自爆テロなんてことがあっていいのか。ナイジェリアの市場で先週、女児に装着された爆弾が爆発する事件が2日連続で起こった。自分の体に何が巻かれているか知らず、遠隔操作で自爆を強制された可能性が高いという。
  • 「われは知る、テロリストのかなしき心を」。石川啄木の100年以上前の詩「ココアのひと匙(さじ)」は、こんな一節で始まる。明治天皇暗殺を企てたとして、多くの社会主義者無政府主義者が冤罪(えんざい)で処刑された大逆事件を詠んだ作品といわれる。
  • いかなる背景であれ暴力を肯定はできない。自身の命を懸けることすらなく、弱者である子どもを「爆弾」にする現代のテロリズムには、啄木も厳しい見方をしたに違いない。(田嶋正雄)

(2015-01-19 沖縄タイムス

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