〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木の恋人は?今も論争 76日滞在の釧路で

  • 明治期の歌人石川啄木(1886〜1912年)が新聞記者として76日間を過ごした北海道釧路市で、当時の恋人は誰だったのか、今も論争が続いている。12日には文化施設「港文館」主催の啄木講座が開かれた。没後100年以上も経過し、何が人々の心を捉えているのか。
  • 「小奴だというのが通説だが、ふたりは芸妓(げいぎ)と客の関係にすぎず、恋人は梅川操だと思う」。講座で、講師役の釧路啄木会会長北畠立朴さん(73)は持論を展開した。
  • 啄木は「小奴といひし女の やはらかき 耳朶なども忘れがたかり」などと歌集「一握の砂」で小奴を詠んでおり、通説の有力な論拠だ。
  • 一方、梅川は啄木の小説「病院の窓」に登場する看護師のモデルとされ「『喰ひつきたい程可愛く思はれる』と梅川に寄せる思いが書かれている」(北畠氏)という。
  • 啄木が釧路に着いた1月21日に開かれる行事「雪あかり」は今年も、啄木と小奴に扮(ふん)した男女が通説通り恋人を演じる。〔共同〕

(2015-01-13 日本経済新聞 ほか多数紙)

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