[トネリコ]
読書 《本と人と》
『啄木 ふるさと人との交わり』 森 義真さん
(盛岡出版コミュニティ・1600円)
魅力は人を引きつける力
- 明治を駆け抜けた歌人の石川啄木。出身地の盛岡を中心に交友を結んだ人々の啄木への思いやエピソードをつづりました。
- 「5年かけ、地元のミニコミ紙に書いてきたものです。77人登場します。啄木の魅力は友だちの多さです。人を引き付ける力をもっていました」
- 例えば高等小学校以来の友人、金田一京助。「彼は啄木を支えたかった。自分の文学への夢を啄木に託したのでしょうね。『せいせいした』といって文学の道に進まず、言語学の道を選びました」
- 「歌人、ジャーナリスト、弁護士ら当時の第一級の人物と、年若い啄木は対等につきあっています。そこから生まれた作品は100年後も色あせていない」
- 今年4月、盛岡の石川啄木記念館館長に就任。「引き受けた以上は誠実に仕事をしていきたい」。(澤田勝雄)
(2014-07-20 しんぶん赤旗)
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