雑誌「世界」2014年4月号 岩波書店
特集 復興はなされたのか──3年目の問い
「明日への考察」木と賢治に見る震災後の風景
外岡秀俊(ジャーナリスト・作家)
- この三年近く、石川啄木の歌集と宮沢賢治の作品集を携えて、東日本大震災の被災地に通ってきた。きっかけは震災一週間後、八重洲の大型書店で手にした賢治の作品集だった。
- 2011年に起きた東日本大震災が浮き彫りにしたのは、啄木や賢治の言葉が、今なお、それぞれの時代の社会の位相と交差し、拮抗しているという事実だった。
- 震災後のこの国は、見失った「繁栄」という目標を立て直そうと、国内外に向けて再び、その形相を変えつつあるかのようだ。
- 啄木や賢治の文学の意義はその豊饒さにこそあり、混迷する私たちの意識に指標を与えてくれると思う。
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外岡秀俊 氏
- 啄木学級「文の京講座」講師
2014年7月4日(金) 文京シビックホール
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