- 「はたらけど/はたらけど猶(なお)わが生活(くらし)楽にならざり/ぢつと手を見る」
- 盛岡市出身の歌人石川啄木を題材に戯曲「泣き虫なまいき石川啄木」を書いた故井上ひさしさんは、啄木を好きな理由としてこの歌を挙げたことがあった。
- 人は生活が苦しいとき、つい手を見てしまう。啄木の作品には、そうした人間の普遍的な行動を取り出しているすごさがあり、そこが魅力なのだという。
- 確かに、生活苦からわが手を見詰めた啄木の慨嘆は、死後100年以上たった今も通じる。
- 仙台文学館で開催中の特別展「石川啄木の世界」は、時代を超えて愛される作品と、26年の短い生涯を、直筆原稿などの資料を基にたどっている。
2014-05-17 河北新報)
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