〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「じぇじぇじぇ」賢治・啄木もつぶやいた?


[ドウダンツツジ]


時空つなぐ「じぇじぇじぇ」 賢治・啄木もつぶやいた?

  • あまちゃん』の台詞(せりふ)にあらわれ、方言ながら全国的に愛用され、今年一番の流行語となった「じぇじぇじぇ」。もともとは舞台となった久慈市でもお年寄りの間で細々としか話されていなかった、ということは知られているが、実は地域(久慈)という空間ばかりか、時間を超えて日本人をつなぐ感動詞なのである。
  • 《今ごろは、あの世で啄木に逢(あ)って、啄木が、

 「ゼ! 書いたね」
 伊東さんが、
 「ウン、書いた!」
 二人が、
 「ハハハハハ」
 と笑っているのではないだろうか》

  • 岩手・渋民(しぶたみ)村出身の夭折(ようせつ)の詩人、石川啄木の旧友で親友だった伊東圭一郎著『人間啄木』。啄木の悪童ぶりを愛情をこめて描いたこの伝記に寄せた、やはり啄木の親友で、わが国の言語・国語学の巨星、金田一京助による献辞の一節だ。
  • つまり、明治から昭和初期、賢治や啄木も「じぇじぇじぇ」とつぶやきながら詩歌や童話、小説を書いていた可能性が高いのだ。(関厚夫)

(2013-11-07 産経ニュース)