2013-07-30 天地人 東奥日報 啄木 広場 弘前市出身の井沢八郎のヒット曲「あゝ上野駅」は、東京に集団就職した少年少女への応援歌だった。一足早く働きに出た彼らの故郷への思いがこもり、いつ聴いても胸が熱くなる。 上野駅が開業から130周年を迎えたのを機に、寝台特急が発着する13番線ホームで発車ベル代わりにこの歌のメロディーを流し始めた。懐かしの旋律に集団就職当時を思い出す人が多くいることだろう。上野駅も粋なことをしてくれる。 <ふるさとの訛(なまり)なつかし/停車場の人ごみの中に/そを聴きにゆく>。岩手県出身の歌人・石川啄木にとっても上野駅は特別な存在だった。線路でつながる故郷を濃厚に感じさせてくれたのだ。 (2013-07-30 東奥日報>天地人)