- 樋口一葉、二葉亭四迷、国木田独歩、正岡子規、石川啄木、森鴎外。いずれも名だたる明治以降の文豪である。加えて、肺病(肺結核)を得て生涯を閉じた点が共通する。
- 結核は明治の産業革命とともに国内で流行が始まった。昭和10〜25年には国民の死亡原因の第1位を占め、年に十数万人が亡くなる不治の病として恐れられた。半面、結核は作家本人や作品により、ある種の美的なイメージを負わされた。
- 梶井基次郎は京都の第三高等学校に在学中、四条大橋の上で、文学仲間に「肺病になりたい、肺病にならんとええ文学はでけへん」と叫んだそうだ。
(2012-11-14 京都新聞)