〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

没後百年 啄木しのぶ 盛岡・渋民で法要

啄木忌の法要が宝徳寺で営まれた。

  • 昨年の100回忌法要は、東日本大震災が発生したため、開催を取りやめた。父佐蔵さんが、小学校の代用教員時代の啄木に家の一間を貸していたという斉藤清人さんは「生きている間、啄木は生活が苦しかった。けれど、亡くなった100年後にこんなにたくさんの人が集まってくれて幸せに思っていると思う」と話した。
  • 昨年の大津波で流された高田松原陸前高田市)の啄木歌碑に代わる新たな碑を建てようと、盛岡市民や文化・経済団体からなる石川啄木没後百年記念事業実行委員会(会長・嵯峨忠雄石川啄木記念館理事長)が募金に乗り出した。

 〈いのちなき砂のかなしさよ/さらさらと/握れバ指のあひだより落つ〉と刻まれた碑は「奇跡の一本松」から500メートルほど離れた松林にあった。

  • 実行委事務局員で石川啄木記念館長の菅原寿さんは「命の大切さを詠んだ歌。津波で犠牲になった人や、行方の分からない人の魂を慰め、残された人たちを励ます歌碑をもう一度建てたい」。歌碑の内容や場所は陸前高田市と相談して決め、来年2月20日、啄木の誕生日の建立を目指す。
  • 募金は1口1千円。郵便振替(02280・8・134575 石川啄木没後百年記念事業実行委員会)で9月30日まで受け付ける。問い合わせは同記念館(019・683・2315)。

(2012-04-14 朝日新聞>マイタウン>岩手)