〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

秋田のニュース:北斗星

  • 岩手県で生まれた明治の歌人石川啄木は、鹿角と縁がある。母方の曽祖母熊谷ヱイは、鹿角市毛馬内の出身。長姉サダは、夫が勤める小坂鉱山の長屋で29歳で病没した。そして長詩「鹿角の国を憶ふ歌」の存在。ただし、啄木が実際に鹿角を訪れたかどうかは研究者の意見が分かれる。
  • 啄木と「秋田」の接点は他にもある。中央公論の編集者で秋田市出身の滝田樗陰は08年、掲載を依頼された啄木の小説を突き返す。小説でも限界を悟った啄木は短歌に没頭、後の歌集「一握の砂」につながったことが金田一の年譜からうかがえる。
  • 啄木を北海道に招き、文芸誌を編集した松岡蕗堂は旧雄勝町の出身だった。短い人生に、秋田も少なからぬ影響を与えたことに感慨を覚える。

(2012-04-13 さきがけon The Web)