[ヒイラギナンテン]
河北抄
- 「格差社会」が最近のキーワードの一つになっているが、何も今に始まった現象ではない。近代文学を見ても、貧困や不平等にあえぐ人々の姿を描いた作品は数知れない。
- 『文学と格差社会』と題した展覧会が、仙台文学館(青葉区)で開かれている。樋口一葉や石川啄木、小林多喜二、松本清張さんや中上健次さんら、紹介している作家の多さに驚く。
- ことしは啄木が26歳で亡くなってちょうど100年に当たる。
<こころよく/我にはたらく仕事あれ/それを仕遂げて死なむと思ふ>
<はたらけど/はたらけど猶(なほ)わが生活(くらし)楽にならざり/ぢつと手を見る>
- 20日まで。
(2012-03-15 河北新報>河北抄)