〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

『復元 啄木新歌集』生まれ変わった幻の新刊本


[モウセンゴケ]


近藤典彦 編 桜出版『復元 啄木新歌集』
  「一握の砂以後」(四十三年十一月末より)
  「仕事の後」

『悲しき玩具』を生まれ変らせ、幻の啄木歌集「仕事の後」を復元し、二つを合わせて一冊とした。

  • 文庫判 定価1,050円

「仕事の後」は復元された幻の歌集である。この歌集の内容は春陽堂の関係者以外のどんな日本人も見たことがないはずである。 (近藤典彦「まえがき」より)

●桜出版(TEL.03-3269-3420 FAX.03-3269-8480  E-mail sakuraco@leaf.ocn.ne.jp)

新刊の案内 桜出版HP
 
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☆2012年1月21日 (土)
『一握の砂』を朝日文庫版で読む 近藤典彦氏ブログより

復元啄木新歌集出版

  • 2つの歌集から成る文庫本です。
  • 1つ目の歌集は『一握の砂以後』。これは生まれ変った「悲しき玩具」です。100年前に出た『悲しき玩具』は土岐哀果の編集になるものですが、啄木の意図を大きく毀損する編集・いくつもの重要なルビの間違い・啄木とは違う漢字の使用等々の問題がありました。
  • このたびわたくしが気づいた限りの全ての問題点を、啄木の原本「一握の砂以後」と先行諸研究とわたくし自身の研究とに基づいて改訂しました。その結果「悲しき玩具」が生まれ変わりました。
  • 2つ目の歌集は『仕事の後』。これについてはこのブログで46回にわたって書いてきました。46回のブログは実は本書の「解説」部分です。通して読むとけっこう面白いはずです。
  • そして本文。これは苦労しました。これら本文の内容を明治時代に見た人は、啄木以外では啄木が売り込みに行った先の春陽堂の編集者だけでしょう。啄木はこの原稿を解体しました。したがってまさに幻の歌集となったのです。本書によってその歌集がよめることになりました。
  • さらにこの2つの歌集が1冊に編まれたことで、朝日文庫版『一握の砂』とすばらしい連関ができました。それは本書「あとがき」に書いてあります。本書と朝日文庫版『一握の砂』は不可分の一対を成しています。

『一握の砂』を朝日文庫版で読む