[ミルクフルーツ]
新たな啄木像に迫る「一握の砂」100年フォーラム
- 石川啄木の処女歌集「一握の砂」発刊100年記念フォーラムは10日、約300人が参加して盛岡市中央公民館で開かれた。
- 民俗学者で歌人でもある国学院大名誉教授の岡野弘彦さんが講演。パネルディスカッションでは研究者や地元文化人らが新たな「啄木像」に迫った。あるパネリストは「啄木が口語で3行に書いた短歌は、当時高級だった文学を日常生活に引き寄せた」と評価した。別のパネリストは「宮沢賢治は『一握の砂』発刊直後に短歌を作り始めるなど大きな影響を受けた」と話した。別の一人は「寺山修司の歌には啄木の作品をアレンジしたものが多く、一握の砂に影響を受けていたのではないか」と推察した。
- 今年は啄木の百回忌に当たる節目の年。近く記念事業実行委員会も設立され、啄木の魅力があらためて全国に発信されそうだ。