【ヤグルマギク】
「啄木と郁雨」連載第一回 山下多恵子
-友の恋歌 矢ぐるまの花-
<恩人>
いのちなき砂のかなしさよ
さらさらと
握れば指のあひだより落つ
- 石川啄木の名を知らない人はいないだろう。
- 交友関係は広く……綺羅星のごとく才能のある人物が啄木のもとに集まっている。
- 中でも金田一京助と宮崎郁雨は、啄木と生涯にわたって深く交わった人物であり、その献身ぶりは、フランス文学者の桑原武夫をして、「日本友情史上の模範」となる人物、と言わしめたほどであった。
- 金田一京助は言語学の泰斗として、つとにその名を馳せているが、宮崎郁雨とは、何者であろうか。
(2008-05-08 新潟日報-水曜連載)