〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「波のうえの魔術師」プータローが巨大銀行に挑む

【満開の桜】


「波のうえの魔術師」

  • 石田 衣良 著  文春文庫
  • 2005年 500円

相場師の老人がプータローの青年を見つけ、秘書として雇うところから話は始まる。
「なぜ、おれだったんですか」と問う青年に老人が答える。「パチンコ店のまえに並んだ人々のなかで孤立していた。ロシアの小説家が『ほんとうに貧しい人というのは、みんなといっしょに貧しい人間のことだ。ひとりきり孤独に貧しいものは、まだ金をつくっていない金もちにすぎない』と言っている。きみはまさにそんなふうに見えた」

青年が相場を学んでいく方法を読んでいると、そのとおり実行すればだれでも本当に株取引で儲けられそうだ。株価の波が見えてきそうだ。
まったくそんなことあるわけないのに────。

株に興味はないが、ちょっと学んでみようかと思ってしまった。