〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

レンタル家族(?)「母恋旅烏」

ネジバナ


「母恋旅烏」

元芸人一家が、親父の始めた「レンタル家族派遣業」に振り回される。
17歳の次男が「ぼく」という一人称で登場し、語り手となる。母さん、兄ちゃん、姉ちゃんとその赤ちゃん、それぞれが訳ありで魅力的な人物。レンタルを依頼した人と、“依頼されたように演ずる家族”とのやりとりの妙。このあたりは何度も読み直した。
ある家族の崩壊を描いているが、真面目に家族のありかたも問うている。


人を愛するとは、暮らしとは、家族とは………煮詰まってしまったときにおススメの本だ。