日 時:2006年10月6日〜11月10日(金)
17:00〜18:30(11月10日のみ17:15〜18:45)
講座趣旨
石川啄木は、今年生誕120年を迎えました。26年の短い生涯を終えてから90年以上を経ても、なおその魅力は尽きません。今回はその啄木の生涯や短歌、国際性、また、啄木の友人であった若山牧水、啄木が属していた新詩社『明星』の与謝野晶子、そして啄木の死後、啄木の影響を指摘できる斎藤茂吉、前川佐美雄などの文学者を通して、啄木の文学の魅力と共に、啄木と関係する同時代、そして後代の文学者についても考えてみたいと思います。
講義概要・講師紹介
1 2006/10/06
石川啄木 国際性への視座
石川啄木と韓国の詩人尹東柱・ドイツ語の詩人ハイネとの生涯や作品の比較やトルストイの受容の様子、また西欧、東洋における啄木の具体的な受容、そして啄木における国際性への視座を解説します。
池田功 明治大学政治経済学部教授 国際啄木学会副会長
著書に『石川啄木 国際性への視座』(おうふう)など
2 2006/10/13
若山牧水 大正の抒情のかたち
酒をこよなく愛し、生涯の大半を旅に過ごした歌人。西行、芭蕉をしのび、桜を愛し、水源を紀行した歌人。牧水の自然観、生命観の上にも時代の影は落ちています。多くの人に愛されてきた牧水の魅力を語ります。
上田 博 立命館大学名誉教授、前国際啄木学会会長
『石川啄木歌集全歌鑑賞』(おうふう)など
3 2006/10/20
『一握の砂』の読み方
石川啄木『一握の砂』の魅力は汲めど尽きぬものがあります。魅力の源泉の一つは原典『一握の砂』(東雲堂 明治43年)そのものの中にありました。そこに張りめぐらされたコードを読み解きます。
近藤 典彦 元群馬大学教授、国際啄木学会会長
『一握の砂』研究』(おうふう)など
4 2006/10/27
晶子から啄木へ 啄木から晶子へ
『みだれ髪』によって啄木を触発し、歌人として誕生させた晶子。その後の新詩社での啄木の軌跡をたどりながら晶子のなかの啄木の存在について探ります。
今野 寿美 歌人、朝日カルチャーセンター講師
歌集『世紀末の桃』(現代短歌女流賞受賞))など
5 2006/11/10
現代に生きる啄木
啄木は昭和短歌のモダニズムの源流であり、また今日の文学の主要なテーマである<自分探し>の先駆的な存在でもあります。そのようなことを具体的な短歌を紹介しながらお話ししたいと思います
三枝 昂之 歌人、テレビ「NHK短歌」選者
歌集には『甲州百目』(寺山修司賞受賞)など
受講料 5回 15,000円
申込み・問い合わせ
明治大学リバティ・アカデミー事務局
TEL 03-3296-4423
FAX 03-3296-4541
academy@mics.meiji.ac.jp