To記 Do記 「本家 啄木の息」より <9>
2006-09-15
映画「佐賀のがばいばあちゃん」を観ました。
・ 監督 倉内均 原作 島田洋七
・ 出演 吉行和子 鈴木祐真 池田晃信 池田壮磨 三宅裕司 工藤夕貴
・ 2006 日本
新幹線の中で、母と別れたため泣きじゃくる男の子がいた。それを見ている会社員が、自分の過去と少年の姿を重ね合わせていく。このトップシーンが、印象的だ。
会社員は幼いころ、事情があって母と離れ佐賀に住む祖母のところに預けられた。祖母の家に着いたその夜、「よう見ときんしゃい」と火吹き竹を使ったご飯炊きを教わる。
教えてもらったことはそれだけじゃない。
・悲しい話は夜するな。つらい話も昼にすれば何ということもない。
・葬式は悲しむな。・・・丁度よかった、しおどきだった。
・貧乏には二通りある。明るい貧乏と暗い貧乏。うちは明るい貧乏だからよか。それも最近貧乏になったのと違うから、心配せんでもよか。うちは先祖代々、貧乏だから。
母親役の工藤夕貴さんが「台本を読んで大泣きした。日本人って本当に素敵だなぁと感じた」と書いていた。
「まっとうな人間」がどんな人であるかよく分からない。しかし、極めてまっとうな人たちに心を暖められた気分がする。
2006-08-01
映画「日本沈没」を観ました。
小松左京の原作を大幅に変え、最新の学説で日本列島の沈没を描く。駿河湾の大地震、プレートの断裂、阿蘇の噴火。「んっ??」満載だが・・・。
生きていく上で何が大切か、何がいらないか。災害に対していかに備えるか、いかに被害を減らすか。頭の中に鐘の鳴る思いがした。
東京大学地震研究所が、この映画を見た人からの質問にネット上で答えているのを読んだ。
Q 日本が沈むことはないか
A 現在はプレートに押されて、全体としては盛り上がっている。いずれ沈没するようになっても、沈むためには100万年かかる。
Q 富士山は噴火するか。
Q 日本国民1億2000万人が脱出するにはどれくらいの時間がかかるか。
科学的な答えに興味津々だ。
本「オシムの言葉-フィールドの向こうに人生が見える」を読みました。
7月21日にサッカー日本代表監督に正式に就任した、イビツァ・オシム。
・ 「ライオンに追われたウサギが逃げ出す時に、肉離れをしますか? 準備が足らないのです」
びっくりして何度も読んで・・・納得した。
・「オシムとウイスキーを酌み交わして飲んだとしよう。朝まで話題はサッカーだけだ。頭の中にはサッカーしかないのだ」と、コバチェビッチに評される。
・ でも、本人は「人生においてはサッカーよりも大切なものがたくさんある」とも言っている。
サラエボに生まれ、祖国分裂のため家族がバラバラになった。オシムは夫人とアマチュア無線で、連絡を取り合った。それも直接声をかわすわけではなく、何人もの人間が、間に入って『こう言っている』『こう答えました』というそんなコミュニケーションだった。
・ 「練習でできなかったことがゲームで出来るようになるはずがない。人生も同じ。日々の生活でのことが重要なときに必ず出てしまうもの」
「言葉」というものは確かに独立して存在する。大切なのは「言葉」そのものよりも、それを「誰が言ったか」だろうと思う。オシムは、彼の人生から汲み出した「言霊」を教えてくれている。
「オシムの言葉-フィールドの向こうに人生が見える 」集英社 木村元彦 著 1,680円
映画「ダ・ヴィンチ・コード」を観ました。
ルーブル美術館の館長が殺される。館長の孫(オドレイ・トトゥ)とハーバード大学教授(トム・ハンクス)がその謎解きに挑む。問題の核心は宗教的なものに絡み、舞台はフランス、イギリスと横移動しながら、歴史の奥へと縦移動していく。
愛はあるけど恋のないオドレイ・トトゥは、アメリ役と違った魅力をみせている。
わたしは「最後の晩餐」が飾られているサンタ・マリア・デレ・グラーツィエ教会を訪れたことがある。古びた絵を20年かけて洗浄し、きれいになったばかりの時だった。入場は完全予約制のはずなのに飛び込みで入れてもらい、「これが、アノ……!」と感動にガクガクした。
そのルーブル美術館やホテルリッツを大画面で見られるのは、しあわせだった。過去と今とが交錯し、オーバーラップし、歴史の現場に立ち会っているような感覚を抱いた。
「ダヴィンチ・コード」 The Da Vinci Code
監督 ロン・ハワード
出演 トム・ハンクス オドレイ・トトゥ ジャン・レノ
2006 アメリカ
本「奇妙な情熱にかられて」を読みました。
取り上げられた「奇妙な情熱」は、ミニチュアへ向かう心・境界線へのこだわり・贋物と本物のあいだ・蒐集への執着の4つである。
蒐集癖の章が特におもしろい。例えば「醤油鯛」集め。「醤油鯛」とは、弁当に入っているサカナの形の小さな醤油入れのこと。九州大学生協の弁当についている醤油入れには「九大生協醤油鯛」と命名し、小さなラベルを添える。
ヒャーッ! 想像するだにドキドキするゥ。
こういった蒐集の醍醐味とは人間の発想や思考の「癖」を見透かす楽しさであり、また世界の成り立ちとコレクションとが相似関係にあるのではないかと妄想する喜びにある。コレクションとは物に託された世界観にほかならない。世界そのものがそんなふうに成り立っている。
ハーッ! そうなんだァ。
精神科医でもある著者が、患者の例も取り上げ「蒐集」を分析していく。「時間とはもはや取り返しのつかないものであるにもかかわらず…新品同様の過去の物が甦ることで、時間の断片を大切に保存しようとする振る舞い」と著者は解く。
ミニチュアを見ると、なぜ心がときめくのかずっと疑問だった。それは、その小さな物の中に世界を見る、宇宙を見つけるからなのではないか……。自分のときめきの源が垣間見えたかもしれない。
「奇妙な情熱にかられて」ー ミニチュア・境界線・贋物・蒐集
春日武彦 集英社新書 2005年
映画「家の鍵」を観ました。
訳あって、生まれたばかりの息子と15年間離れていた父親。これまで息子を育ててくれた兄から、ベルリンの施設へ連れて行くことを頼まれる。父子は、ミュンヘンからベルリンへ向かう列車内で初めて出会う。息子には障害があった。
父親役のキム・ロッシ・スチュアートがモーレツにイイ。障害を抱えた子を持つ母親役・シャーロット・ランプリングの抑えた姿もこよなく切なく、それを超えて少年役・アンドレア・ロッシの見事さ。彼は、この映画でデビューした。水泳競技会に選手として出ているのを助監督が見つけたのだそうだ。
「泣いたらだめだ。僕がこうして一緒にいるのだから」
この言葉は父から息子へのようだが、逆だ。不安な父を励ます息子の言葉だ。
15歳のあったかさ、大きさに心が潤んでしまう。
「家の鍵」 Le Chiavi di Casa
監督 ジャンニ・アメリオ
出演 キム・ロッシ・スチュアート アンドレア・ロッシ シャーロット・ランプリング
2004年 イタリア
映画「クラッシュ」を観ました。
ロサンゼルスで、ある交通事故が起きた。そこには、さまざまな人種、職業の人々の人生が絡み合っていた。地方検事と妻、TVディレクターと妻、人種差別主義の警官と若い同僚、雑貨店経営者と彼の家族、鍵屋と彼の家族、……。
人種偏見と一概に言えないような巧妙な差別観が、逃げ場のない苦しい空気を生んでいた。アメリカという国、よく知っているような錯覚を持つが実は分からないことだらけ。
映画に救いを求めるとしたら、この映画には“妖精の透明なマントの片鱗がある”…かもしれない。
「クラッシュ」 crash
監督 ポール・ハギス
出演 サンドラ・ブロック ドン・チードル マット・ディロン
ジェニファー・エスポジート
2004年 アメリカ
映画「かもめ食堂」を観ました。
フィンランドのヘルシンキで食堂を開いた日本人女性。しかし、1カ月たっても客はゼロ。初めて店に来た日本好き青年に、ガッチャマンの歌詞を聞かれる。「だれだ! だれだ! だれだ!・・・」 の後が出てこない。
小林聡美さんが登場して画面がふっくらと落ち着き、片桐はいりさんが入り、十分になる。そこへ、もたいまさこさんが加わるから、もう恐いモノは何もなくなる。
目の前で料理が次々できあがる。鮭の網焼き、豚カツ、豚のショウガ焼き、肉じゃが、鶏の唐揚げ、おにぎり、卵焼き。・・・おなかが空いた。
シネスイッチ銀座の初日には立ち見も出て、観客数は1706人。最高記録だったそうだ。
原作には、映画では描かれていない食堂開店までのプロセスがあるらしい。読んでみたい。
「かもめ食堂」
監督 荻上直子 原作 群ようこ
出演 小林聡美 片桐はいり もたいまさこ ヤルッコ・ニエミ タリア・マルクス
2005年 日本
映画「フライトプラン」を観ました。
ヒロインは、航空設計士。突然事故死してしまった夫の棺とともに6歳の娘を連れ、ジャンボジェット機でベルリンから故郷のニューヨークへ向かう。
その機は、彼女の設計したものだった。飛行中、娘が姿を消す。狂気のようにヒロインは娘を捜すが、誰も見たものはなく搭乗記録さえもない。
どこまでが本当で、どこからが空想・妄想かが、入り交じって混乱してくる。しかし、人間に必要なものは体力、気力だ。それに知力もあるといい。あの巨大なハイテク重層ジャンボ機、E-474内を縦横無尽に走り回れるために。
らせん階段付き二階建てキャビンや、広い格納庫。『ホッー、こんなところからあんなところへ行けるのか』。ふだん、客席部分くらいしか知らないから機内の設備にビックリした。
「フライトプラン」 FLIGHTPLAN
監督 ロベルト・シュヴェンケ
出演 ジョディ・フォスター ショーン・ビーン ピーター・サースガード
2005年 アメリカ
2006-02-08
CINEMA-2005年-勝手にベスト5(順不同)
◎クジラの島の少女 WHALE RIDER
監督 ニキ・カーロ
出演 ケイシャ・キャッスル ラウィリ・パラテーン クリフ・カーティス
2003年/ニュージーランド
『先祖はクジラにのってやってきた』という伝説を信じるマオリの一家。勇者"ホエール・ライダー"の魂を受け継ぐものとして、村では後継者となる男子を待ち望んでいた。しかし、生まれた双子のうち男の子は死んでしまう。残された女の子は伝説の勇者と同じ名前パイケアと名付けられ、祖父母のもとで育てられるが……。
監督 今敏
出演 声優:江守徹 梅垣義明 岡本綾 山寺宏一
2003年/日本
白い雪の降るクリスマス。かつて競輪選手だったギン、ココロは誰よりもオンナのハナ、家出少女のミユキ、三人組のホームレスがゴミの中から“赤ん坊”を拾う。ハナは「ママになれる」と喜び、ギンは「警察に行け」とドヤす。三人は赤ちゃんに名前を付け、その子の親捜しを……。
監督 山崎貴
出演 吉岡秀隆 堤真一 小雪 堀北真希 もたいまさこ 薬師丸ひろこ
2005年/日本
昭和33年の東京。小さな町工場に青森から集団就職でやってきた少女。彼女は社長秘書になれると思っていた。短気な社長、気配りの妻、元気な息子、向かいの駄菓子屋の売れない小説家、飲み屋の女将、訳ありの男の子。夕日町三丁目に住む人々の喜びと哀しみ、そして……。
◎父と暮らせば
監督 黒木和雄 原作 井上ひさし
出演 宮沢りえ 原田芳雄 浅野忠信
2004年/日本
「ヒロシマ」の原爆投下から3年。図書館に勤める女性が、生き残ったことを負い目に思いながら暮らしている。彼女は、父に励まされながら仕事をし、恋をし、心の奥に抱える大きな苦悩と闘う。「しあわせになってはいけん」「人を好きになってはいけん」と……。
◎オデッサファイル THE ODESSA FILE
監督 ロナルド・ニーム 原作 フレデリック・フォーサイス
出演 ジョン・ヴォイト マクシミリアン・シェル マリア・シェル ノエル・ウィルマン
1974年/イギリス/西ドイツ??
1963年、ハンブルグの若いルポライターが、老人の日記を手に入れた。老人はナチ収容所の残虐な所長たちに復讐しようとしたが果たせずに自殺した。ライターは、元ナチスSS隊員で構成されている謎の組織“オデッサ"の存在を知り、老人に代わって秘密組織に潜入し……。
2006-01-30
映画「単騎、千里を走る。」を観ました。
息子が重い病気になる。長年のわだかまりを抱えた父は、息子が交わした中国の舞踏家との約束を果たすため、中国・雲南省へと旅立つ。父は言葉の通じない場所で、舞踏家の仮面劇「単騎、千里を走る。」を撮ろうと苦労を重ねる。
出演者のほかの主演がいた。それは、玉龍雪山の堂々とした山々。台詞はないが、台詞以上を語っていた。
また、プロではない人たちも主演だった。村人が道に並べた食卓に食べ物を持ち寄って、客人をもてなす「長卓宴」。それが何百メートルも続き、囲む人々がそれぞれ主役に思えた。
高倉健さんの性格そのまま(本当のところはわからないけれど…)の役ももちろん、個人的には チュー・リンさん(日本語の不確かな通訳)がよかった。そして、子ども役もすばらしい。
「単騎、千里を走る。」千里走単騎
RIDING ALONE FOR THOUSANDS OF MILES
監督 チャン・イーモウ
日本編監督 降旗康男
出演 高倉健 リー・ジャーミン ジャン・ウェン チュー・リン
2005年 中国/日本
BOOK-2005年-勝手にベスト5(順不同)
◎ナショナル・ストーリー・プロジェクト
I THOUGHT MY FATHER WAS GOD
著者 ポール・オースター 柴田元幸 訳
出版社 新潮社
発行 2005
米国の人気作家ポール・オースターが、妻の勧めで“作り話のような実話”を募集した。全米からすごい数の物語が寄せられた。ポールがそれを選びとり、ラジオ番組を通じて朗読し評判となった。
180ある話の中でも、秘書を辞めホームレスとなった女性のライフスタイルが眼を引いた。
「利子収入、月に315ドル。それで賄う。私書箱と収納スペースと、ある家の裏庭の一角を借り、テントで暮らす。大学の授業を取り、大学のプールとシャワーとロッカーを使う。図書館は我がリビングルーム……」
悩みを抱え自分ではどうしようもなくて精神科医を訪れる患者たち。それを迎え撃つ強力キャラの伊良部先生サマとミニスカ看護師。
例えば、ジャンプできなくなってしまったサーカス団員に「僕も空中ブランコやりた~い!」とダダをこねる伊良部サマ。そんな医者と付き合っていくうちに、患者は何が悩みだったか、なんで悩んでいたのかを忘れる。縛られていた観念から解き放たれて……。
◎結婚願望
著者 山本 文緒
出版社 角川文庫
発行 2003
・どうして日本中のほとんどの人が結婚しているのかというと、それが一番生きていく上で楽で便利だからではないだろうか。
・本当の友達は礼儀正しい。そして、こちらも礼儀正しくしなければ、人は去っていく。
・友達は自分を映す鏡である。もし自分のまわりにつまらないひとしかいないと思うなら、それはあなたがつまらない人間だからだ。友達がとてもやさしいと思うなら、それはあなた自身もやさしいのだ。
・友達も恋人も「つくる」ものではなくて「できる」ものだと思う。自分がやりたいことをやっていく過程の中で、自然と巡り合う。やりたいことを一生懸命にやっていれば、そこで必ず親しい人はできる。
◎シェパード THE SHEPHERD
著者 フレデリック・フォーサイス 篠原 慎訳
出版社 角川書店
発行 1975
1957年のクリスマス・イヴに戦闘機が高空で故障した。辛うじて使える燃料計に頼って英国の基地に向かうか、北海の凍てつく海に不時着するか、どちらかしかない。そのとき、旧式の爆撃機が雲の合間に見えた。救援に来たシェパード(“モスキート”という双発爆撃機)だった。
フォーサイスの「ジャッカルの日」や「オデッサ・ファイル」もいいが、この短編集もいい。美味しい料理を食べた口内のような読後感……。
◎ 長い道
著者 こうの 史代
出版社 双葉社
発行 2005
ひょんなことから一緒になった夫婦。江戸っ子は女房を質においても「初かつお」を食べるというが、この夫はカネのためなら女房も質に入れようとする。
短い一話完結のような話だが、いたるところに伏線が絡み合い、彼方まで続く。タイトルに込められた作者の意図も深そう。
哀しくて、切なくて、後ろ向きになってしまいそう。でも、信じられないくらい大きくて明るくて深い心根にもブチ当たる。
ニュージーランドに行きました。
●シートベルトは必ず
・南半球のサンタクロースは「半袖、半ズボン、サーフボードに乗ってやってくる」と、聞いていた。でも、街のサンタはちゃんと上着にブーツだった。 この巨大なサンタは、右手の人差し指をチョコチョコ動かしていた。
・たまたま乗ったタクシーの運転手さんが、サモア出身だった。オールブラックスの話をしたら「甥が選手だ。今遠征している」「今夜、試合中継がある」などと夢中で話し始めた。つい、こちらも試合前の『ハカ・ダンス』の話をしてしまった。そうしたら運転中にハンドルから両手を離して踊りだし、拍手までした。
・後悔! 後悔! 無事でよかった。しかし、交通事故は少ないそうだ。
・走っている車を見ていると日本車が多い。7~8割が日本車。ここでは、クルマを生産していないから、輸入に頼る。左ハンドルは輸入規制だが、日本車はほぼそのまま乗れるからこんなに多い。
・中古をそのまま使っている例を見た。車体に日本語で『○○スイミングクラブ』などと書かれていた。走行距離が10万km、20万kmを超える車もあるという。
・シートベルトは全座席着用が義務になっている。違反した場合、運転手ではなく『ベルトをしていない人』が罰金を払う。だから「ベルトをしなさい!」と、運転手に強く言われた。説得力があった。
●安全・安心な食肉
・都市部を外れると、どこまでもなだらかな丘陵が続く。緑の牧草に点々と牛や馬、羊が模様を描く。
・地理的に他の国から独立しているため、害虫や病気が少ないそうだ。牧草への農薬は、ほとんど使用していない。化学肥料も使っていない。
・「反芻動物の肉骨粉を輸入したり、反芻動物に飼料として与えることは法律で禁止」されている。だから、狂牛病 BSE は今のところ全く出ていない。
・安心して、分厚いステーキを食べた。日本も地理的には独立していると思われるが…、何が違うのだろう。
●やたら広い動物園
・オークランド動物園の入場料は高い。大人で 1500円くらい。子どもはその半額。(ちなみに上野動物園 大人 600円、中学生 200円<都内在住・在学の場合は無料> 小学生以下は無料)
・一般に物価は日本と同じか、やや高い感じがした。そうそう、消費税は 12.5%。
・広大な敷地。キリンもシマウマも上から見下ろせるように作ってある。「人と動物とどちらが柵の中?」という感じ。
・子どもたちがたくさんいた。保育園くらいから、小学校、中学校、高校とみんな制服を着て、手には問題がぎっしり書かれた用紙を持っていた。要所要所にスタッフがいて、子どもたちの質問に絵やグラフを使って丁寧に答えていた。
・小学校は、5歳の誕生日を迎えた子から個々に行く。だから、入学式はないのだそうだ。決められたカリキュラムもない。教科書もないらしい。
・大学は8つで、すべて国立。大学進学率は 35%くらい。
・14歳以下の子どもを,留守番させるのは、たとえ短時間でも違法。子どもだけの車中置き去りも違法。
・日本で次々に起きる事件、その対策の参考になるところもありそうだ。
●港で見かけた日本船
船尾に日の丸
・オークランドのクイーンズワーフからフェリーで対岸のデボンポートに渡った。
・港に泊まっている船の横腹に漢字を見つけた。下関にある水産大学校の練習船だった。遠洋航海の途中らしい。
●マオリの ことば
・フェリーの船尾には国旗がはためいていた。国旗の右側に4つの星があり、南十字星を表している。国歌は一番がマオリ語、二番は英語になっている。
・マオリは文字を持っていなかったから、話しことばの表記にアルファベットをあてはめた。だから、ローマ字読みすれば似た発音になる。
Ao(アオ) 雲 Tea(テァ) 白い Roa(ロア) 長い
Aotearoa(アオテアロア) 長く白い雲 <ニュージーランドのこと>
Rotoroa(ロトロア)長い湖
Waitomo(ワイトモ)細長い水の流れる穴
・オークランド博物館には、『零式艦上戦闘機二二型』が展示されていた。
・また、千人針の手拭いなどとともに「幸運な生存者」として日本語での説明文があった。「この機は試験飛行終了後ラバウルに戻った。神風攻撃で使われる事を知っていた整備員が、わざと修理を遅らせた。そのため終戦になり、シバヤマという名の准尉の命が救われた」
・敵国である日本のことを大きなスペースを取って紹介していた。
・広いホールには、ニュージーランド人の戦死者の名前が刻まれた壁がどこまでも続いている。もしかしたら判明する人、全ての名かもしれない。所々に名刺くらいの紙が何かで留めてある。後から判った人の縁の人が留めたのだろう。
・動物園とちがって、ここは無料。美術館も無料のところがある。でも、単に無料という訳ではなく寄付金として箱に入れたりもする。
・「このくらいの価値はある」と、考えたりすることも新しい感覚だ。
●帰ってきて またすぐ行きたくなる国
グァム諸島の火山
・「何が」って理由を言えなくても、好きな国とイマイチと思う国がある。
・ニュージーランドは好きな国。