〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

 「啄木忌」多くの人に愛されて


[4/12「啄木忌前夜祭」講演中の池田功国際啄木学会会長(撮影:山田武秋氏)]


107回目の「啄木忌」/岩手・盛岡市

  • 4月13日は、歌人石川啄木の命日です。啄木の故郷、盛岡市の渋民では107回目となる啄木忌が行われ、今も多くの人に愛される啄木の生涯に思いを寄せていました。
  • 命日に合わせ啄木忌の法要が営まれた盛岡市渋民の宝徳寺は、啄木が18歳までを過ごした場所です。13日には関係者やファンなどおよそ100人が集まり、焼香をして祈りをささげました。そして地元のコーラス隊「コールすずらん」が啄木の短歌にメロディをつけた曲の合唱を披露しました。
  • (合唱メンバー)「死ぬときは渋民でという思いを込めて啄木自身はこの歌を作ったが、実際はそれが実現できなかった。だから彼の思いを込めて歌いました」
  • 合唱や詩吟だけでなく、世界18か国15言語に翻訳され出版されるなど、さまざまなカタチで多くの人に愛され続けている啄木の作品。集まった人たちは、啄木が歩んだ生涯を想像しながら、改めてその人柄や作品に思いを馳せていました。

(2018-04-13 IBC岩手放送


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 郷土の歌人をしのぶ

啄木しのんで第107回忌法要

  • 石川啄木の第107回忌法要は、宝徳寺で営まれ、短い生涯で数々の作品を残した郷土の歌人をしのんだ。参列者は読経に続いて焼香し、遺影に向かって手を合わせた。
  • 啄木祭実行委員会は6月9日、同市の姫神ホールで啄木祭を開催し、作家・劇作家・演出家のロジャー・パルバースさんが講演などを行う。

(2018-04-14 岩手日報



 「啄木忌法要に参加できることは意義深くありがたい」

啄木忌法要
 命日にファンら100人 盛岡 /岩手

  • 石川啄木の命日にあたる13日、「第107回啄木忌法要」が啄木の出身地、盛岡市渋民にある宝徳寺で営まれた。
  • 盛岡市玉山地区の三つの寺の僧侶たちが読経する中、参列者が焼香した。その後、地元のコーラスグループ「コールすずらん」が啄木の短歌に曲を付けた歌を披露し、地元の玉山吟詠会は啄木の短歌を吟じた。
  • 会結成時から約30年間、法要での献吟を続ける玉山吟詠会の右京富弥会長は「法要に参加できることを意義深く感じている。非常にありがたい」と話した。【鹿糠亜裕美】

(2018-04-14 毎日新聞


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 啄木の故郷盛岡と文京区との交流進む

107回啄木忌 遺徳を次代、全国へ 終えんの文京区と縁 望郷の歌人を語らう

  • 第107回啄木忌法要が13日、盛岡市渋民の宝徳寺で営まれた。
  • 啄木祭実行委員会の竹田孝男委員長は、「啄木の短歌を中心とした作品は世界に広がり、現在15言語18カ国において翻訳され、多くの読者を得ている。特に地方から都会に出て行った人々が啄木のふるさとを思う望郷の歌に共感を抱いているといわれる。昨年秋には『東北おんば訳 石川啄木のうた』の本も出版され、大船渡で気仙語に翻訳され、震災からの復興に重ね合わせて大きな話題になった。あらためて言葉の力を実感する」と式辞を述べた。
  • 盛岡市の谷藤裕明市長を代理し、藤尾善一副市長が、「記念館で啄木の魅力をさらに発信できるよう、玉山地域の博物館としてもより皆さまに親しまれるよう活動したい。新たに整備検討を進める施設も新しい魅力を情報発信できるようにしたい。啄木終えんの地、東京都文京区では啄木文の京講座など交流を進めているが、8月にはさんさ踊りに合わせた文京区民ツアーがあり、両市の友好都市の盟約締結へ関係をさらに深めていきたい」と述べ、盛岡市として顕彰と交流に力を入れる考えを示した。

(2018-04-14 盛岡タイムス)


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 石川啄木の終焉の地の播磨坂

コラム(社会)
 四季の花咲く「幻の環3」 播磨坂 
今昔まち話

  • なだらかに500メートルほど続く坂道を、桜の木々が包み込んでいる。東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅(東京・文京)から徒歩約5分にある「播磨坂」。3月下旬から4月上旬にかけてこの場所で開かれる「文京さくらまつり」は、40年以上地元に愛され続けてきたイベントだ。
  • 「この坂道は江戸時代にはなかったんですよ」。3月末、区の観光ボランティアガイド、野崎和彦さんが播磨坂の歴史を説明すると、参加者は感心した 様子で聞き入った。
  • 播磨坂」の誕生は戦後。もともとは戦災復興事業で、都心を円形に結ぶ環状道路の一つ「環状3号線」の一部区間として開通したのだ。港区から江東区までをぐるっと結ぶはずだったが、前後につながる道路は未完成のまま、歳月が流れた。「幻の環3」とも呼ばれる理由がここにある。
  • 現在の姿になったのは、1995年。半世紀前に住民が植えた約120本の桜並木が成長し、今では四季折々の花が咲く。
  • 茗荷谷駅周辺はお茶の水女子大、拓殖大跡見学園女子大などのキャンパスが集中する文教地区として知られる。文京区にゆかりの文人が多く、中でも歌人石川啄木の終焉(しゅうえん)の地は播磨坂近くにある。最後に詠んだとされる2首の歌を刻んだ歌碑と、顕彰室を建設し、生涯を振り返っている。

(2018-04-14 日経新聞


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