〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木はすべてにおいて正直な人だ……浅沼晋太郎

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ツツジ

週間TVガイド声優連載 恋するVoice

浅沼晋太郎◆この現場では新しい何かを得ることが多かったです

  • 天才歌人石川啄木が、同郷の先輩でもある金田一京助と共に探偵業を始め、さまざまな事件に挑むアニメ「啄木鳥探偵處(きつつきたんていどころ)」。今回は、本作の主人公・石川啄木役の浅沼晋太郎が登場! これまでジャンルを問わず数多くの作品に出演している浅沼だが、そんな彼でも今回の作品は「難しい」と本音を明かした。


── まず主演に決まった時のお気持ちを教えてください。
「実はオーディションは別の役で受けることになっていたんです。ただ、僕は石川啄木と同じ岩手県盛岡市出身なので『この役も受けてみたいな』とマネジャーさんに言ってみたら、『じゃあ、ダメ元でこちらの役の音声も送っておきましょう』という話になり、結果、啄木で決まったという経緯があります。決まったことはとてもうれしかったですし光栄だったのですが、プレッシャーもひとしおでした」

── 啄木という人物の難しさもあるのでしょうか?

「もちろんです。啄木は天才肌で憎めなくてつかみどころがないキャラクターですが、それだけではなく、明治の時代にちゃんと生きていた人物なんです。そこを軸に考えていくと、啄木はすべてにおいて正直な人だという考えに至りました。お金がなくて何もできないと落ち込むところも本当の彼、お金を借してくれた人に心から感謝するところも本当の彼、そのお金で豪遊しちゃうところも彼。そんなふうに、その瞬間瞬間を真っすぐ正直に生きているから、彼の取る行動に一貫性がなくて、周りを戸惑わせるのだろう、と」

── 作品の魅力を教えてください。

「ミステリー作品といえば、どうしても派手なトリックに最初に目が行きがちですが、この作品は“人の思い”に重きが置かれています。僕自身、そこに気付いたことで作品に深みを感じました。ミステリー作品だからと構えすぎず、肩の力を抜いて楽しんでいただけたらと思います。そして願わくば、“登場人物たちが実際に書いた作品に触れてみよう”と思っていただけたらうれしいです」

浅沼晋太郎 Shintaro Asanuma
1976年1月5日岩手県生まれ。
(2020-05-20 週間TVガイド)

 

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