〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

もし啄木が探偵小説を読んでいたら、探偵に興味を持っていたら…『啄木鳥探偵處』

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ポンカン(?)7日目くらい

4月からアニメも放映スタート!

石川啄木金田一京助の明治探偵譚。伊井圭『啄木鳥探偵處』

  • 生前に刊行された著書はわずか二冊の歌集のみ。それにもかかわらず日本文学史に名を刻み、没後から百年以上を経た今も愛誦される夭折の歌人石川啄木。今年は第一歌集『一握の砂』の刊行からちょうど百十年を迎えます。
  • 岩手県で生まれ育った啄木と、同郷で盛岡尋常中学校(現・盛岡第一高等学校)の先輩だった金田一京助、ふたりの親密な交友は有名です。新しい歌を模索していた石川啄木のことです。きっとその創作活動のさなか、海外小説も多く読んでいたのではないでしょうか。
  • もし啄木が探偵小説を読んでいたら、そして探偵に興味を持っていたら……そのようなアイディアで書かれたミステリが、伊井圭『啄木鳥探偵處』です。
  • 『啄木鳥探偵處』は、生活に困窮した石川啄木が「啄木鳥探偵處」なる探偵事務所をたちあげ、明治の東京で起きる摩訶不思議な謎を金田一京助とともに解き明かしていく連作短編集。第一話となる「高塔奇譚」の時代は1909(明治42)年、まだ浅草には浅草十二階こと凌雲閣も健在で、見世物小屋とともに銘酒屋とよばれる私娼窟がたちならんでいます。浅草十二階にあらわれる幽霊、傀儡人形と役者の心中など、猟奇的な事件に二人が挑みます。

(2020-04-10 東京創元社

 

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