〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

 牧水から「ミゝズの話をきいた」啄木

展望台

  • 生まれも育ちも岩手県、東北を出たことがない身からすると、東京は縁遠いところだ。けれど、石川啄木宮沢賢治関連の取材をしていると、どうしても東京がちらつく。
  • 5月、啄木の東京での友・若山牧水の故郷宮崎県を訪ねた。啄木は日記で牧水から「ミゝズの話をきいた」と記している。歌人の伊藤一彦さんは巨大なカンタロウミミズのことだろうと言い、石川啄木記念館の森義真館長は港町「美々津」説を唱えた。どちらも牧水の故郷の話だ。
  • 普段は「岩手の啄木、賢治さん」という意識が強いけれど、県外から2人を眺めてみると、また別の魅力がある。(村田英)

(2018-06-30 岩手日報