〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

 エピソードが語られることが少なかった啄木と原敬の関わり


[ウメ]


啄木と原敬との出会い
 誕生日に森記念館長が講演

  • 盛岡市出身の詩人・石川啄木の誕生日の20日、同市渋民の渋民公民館で講演会が開かれ、石川啄木記念館の森義真館長が「啄木と原敬」の演題で講演した。約50人が聴講し、これまでエピソードが語られることが少なかった2人の関わりについて、関心を深めた。
  • 森館長は、石川啄木(1886〜1912)と原敬(1856〜1921)の2人について「啄木は原敬と面会するも冷たくあしらわれたのではないか」と推論。啄木の日記や与謝野寛(鉄幹)・晶子夫妻の回想など資料を交え、その背景を解説した。
  • 啄木は、第一詩集「あこがれ」の出版費を出してもらうため、1904年に同郷の原と東京市長尾崎行雄を訪ねたとされる。原にとって1904年は、親族のことや政務もあり超多忙な時期。このような経緯で出会ったため「啄木の依頼事は不首尾に終わった」。「原が画家の上野広一ら故郷の人々にかけた温情が啄木にかけられなかったのは、出会いの経緯の違い」と推し量った。

(2018-02-23 盛岡タイムス)