石川啄木記念館 企画展
兄啄木へのまなざし 妹三浦光子 晩年につづる
新資料、手紙30点公開
盛岡市の石川啄木記念館(森義真館長)の新収蔵資料展は、同市渋民の同館で開かれている。啄木の2歳年下の妹三浦光子(1888〜1968)が晩年に「兄啄木の思い出」(64年、理論社)をまとめた際、原稿整理などを手伝った歌人川崎むつをさん(1906〜2005)に宛てた手紙約30点を公開。
- 川崎さんは啄木の顕彰活動に力を注ぎ、青森県啄木会長を長年努めた。青森市に啄木歌碑が設置された56年の除幕式には光子も出席するなど交流があった。手紙は62〜65年が中心で、川崎さんが亡くなった後に同会に預けられたもの。昨年、現会長の西脇巽さんから同館に寄贈された。
- 「兄啄木の思い出」は78歳の時の著作で、48年の「悲しき兄啄木」(初音書房)に続き、幼少期の兄や父との思い出などをまとめた。手紙は、光子が啄木の50回忌に出席したことや本を再びまとめ直したい思いなどがつづられている。
- 同館学芸員の鳥取邦美さんは「幼少期によく遊んだ妹の視点から見た啄木の姿を感じてほしい」と期待する。5月13日まで。
(2018-02-07 岩手日報)