〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「啄木さん、こんにちは」 復興釜石新聞

歌碑建立1周年を記念〜釜石とのつながり示す、歌人の足跡「かるた」でたどる

  • 岩手を代表する歌人石川啄木の歌碑が昨年10月、釜石市大町の青葉通りに建立されてから1周年を迎えるのを記念し、16日、「啄木さん、こんにちは!」と題した集いが青葉ビルで開かれた。参加者は、啄木の短歌25首を集めたかるたに挑戦した。
  • 青葉通りの歌碑は、啄木と釜石とのつながりを多くの人に知ってもらおうと建てられた。啄木は1900(明治33)年、中学の同級生と盛岡から一関まで南下し、三陸沿岸に出て、陸前高田から釜石まで北上する旅を行った。歌碑には、啄木が10(明治43)年に詠んだ短歌「ゆゑもなく海が見たくて海に来ぬ こころ傷みてたへがたき日に」が刻まれている。
  • 国際啄木学会盛岡支部会員の照井モトさんは「インドや台湾など海外でも啄木の研究が盛んで、学生の卒論テーマになるほど。世界から愛される啄木の歌碑がゆかりの地釜石に建ったのは、市民にとってもうれしいこと。もっと啄木を知る機会を設けなければ」と関心の広がりを期待。照井さんによると、釜石の啄木歌碑は全国で181番目。岩手県内には、これまでに125基の歌碑が建立されているという。
  • 釜石の歌碑は、旅行会社が企画する「啄木歌碑巡りツアー」に組み込まれたり、ホテルの観光案内パンフレットで紹介されるなど、観光資源としても注目され始めている。

(復興釜石新聞 2016年10月22日発行 第531号より)