〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「啄木の作品は人間心理を解剖している」 啄木学級文の京講座

[アジサイ]


啄木と賢治、魅力探る -東京で講座-

  • 石川啄木の「終焉の地」がある東京都文京区の文京シビックホールで、「啄木学級文の京(ふみのみやこ)講座」がこのほど開かれた。約350人が訪れ、今年生誕130年の啄木と、120年の宮沢賢治の魅力を探った。
  • 作家、劇作家、演出家のロジャー・パルバースさんが「啄木と賢治 明治のソウル・ブラザーズ」と題して講演。啄木短歌を翻訳した体験から「短歌はあいまいさがあるから翻訳が難しいと言われているが、啄木短歌は具体性があるものばかりだ」と分析。特徴の一つとして「何も飾らない正直さがある。作品を読むと啄木という人間が分かる」と紹介した。
  • 後半はパルバースさんと石川啄木記念館の森義真 (よしまさ)館長が「啄木と賢治の魅力」と題して対談した。森さんは「人間のしぐさや家族、病気を短歌に詠んだのは啄木が初めてだ」と話し、パルバースさんは「啄木の作品は人間の心理を解剖しており、フロイトユングら心理学者が論じたようなことにも似ている。啄木や賢治がヨーロッパに生まれていたら、世界的に有名になったはずだ」と高く評価した。

(2016-07-05 岩手日報 東京支社)