〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「やはらかに柳あをめる北上の」啄木の歌

岩手日報>風土計

  • 「やはらかに柳あをめる北上の」−。石川啄木の歌にあるように、河川敷には柳が多い。春を迎えて芽吹きの緑がまぶしい。
  • 岸辺で目立つのには訳がある。白い綿毛のついた種子「柳絮(りゅうじょ)」を飛ばす初夏は、雪解け水であふれていた川が落ち着くころ。水位が下がって現れた湿地で発芽する。洪水や川を渡る強風も文字通り「柳に風」と受け流し、たくましく根を張る。
  • この柳に学んだのが、現代の耐震建築だ。柔らかくしなやかな柳の発想だ。

(2015-04-09 岩手日報>風土計)

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