〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木歌碑除幕式、啄木の ひ孫石川真一さんらも


[サンシュユ]


晩年刻む啄木歌碑 東京・文京区、寄付募り建立

  • 歌人石川啄木(1886〜1912年)が生涯を閉じた東京都文京区小石川5丁目に「終焉の地」を記念する歌碑と顕彰室が完成し22日、現地でお披露目された。啄木をしのぶシンボルとして国際啄木学会東京支部や区民が働き掛け、文京区が建立した。除幕式には啄木のひ孫や愛好者らが集い、没後100年がたっても読み継がれる薄幸の歌人に思いを寄せた。

 「呼吸(いき)すれば、/ 胸の中にて鳴る音あり。/ 凩(こがらし)よりもさびしきその音!」
 「眼(め)閉づれど、/ 心にうかぶ何もなし。/ さびしくもまた眼をあけるかな」

  • 肺を患い1911(明治44)年に小石川区久堅町(現文京区小石川5丁目)の借家に移り住み、26歳でこの世を去った啄木。最晩年に詠んだ2首の歌からは、悪化する病状と、悲痛な心情が伝わってくる。
  • 除幕式には、啄木のひ孫石川真一さん(50)=東京都世田谷区在住=ら親族も顔を見せた。石川さんは「没後100年が過ぎた今でも思ってくれる人がいるのは非常にありがたい」と感慨深げに歌碑を見詰めた。

(2015-03-23 岩手日報

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