2015-03-06 「よごれたる手を洗いし時の かすかなる満足…」石川啄木 啄木 広場 [シャクナゲ] 正平調 神戸新聞 「はたらけど はたらけど」。ため息交じりでじっと手を見つめた啄木に、こんな歌がある。やはり自分の手に思いを重ねた。 「よごれたる手を洗いし時の かすかなる満足が 今日の満足なりき」。一日の仕事を終え、手を洗う。手に付いた汚れに小さな満足を覚える。「今日も一日、よく働いたなあ」。ふと漏れたつぶやきが聞こえてきそうだ。 (2015-03-06 神戸新聞)────────────────────────────────────