<手倉森浩流 東北魂>
- 故郷。お盆を機に再訪された方も多いだろう。「ふるさとの山はありがたきかな」。そううたった石川啄木は「石をもて追はるるごとく」に故郷を去った。また、東日本大震災で故郷を失った人もいる。故郷があり、故郷を愛し、そしてその故郷からも愛される。「至福」と言い換えることができるかもしれない。日本サッカー協会復興支援特任コーチ、手倉森浩さんはそんな幸せを感じている。
- 今年はお盆の時期に帰ることができない。だから、手倉森さんは少し早めに帰郷していたのだが、もう一つ理由があった。故郷で開催され、自分を育ててくれた五戸すずかけスポーツ少年団や復興支援で知り合ったFC釜石(岩手県)が出場する「みちのく少年サッカー大会」を盛り立て、応援することだった。
- 昨年と同様、手倉森さんはお盆の期間中、復興支援の活動を一時中断した。「亡くなった肉親や親しい友と故郷で再会するのがお盆。そこに他人が入りこむべきではない。とくに、被災地では」。そう考えるからだった。(東北特派員 関厚夫)
(2014-08-19 産経ニュース)
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