[サラサドウダン]
<北海道への旅 まなざしの系譜>
佐藤春夫と十勝(3)
森と馬・・・ひと夏の滞在
- 詩人で小説家の佐藤春夫(1892〜1964)の父は、新宮(和歌山県)で病院を経営しながら、農場をもっていた。春夫は16歳だった1908(明治41)年の夏休み、止若(やむわっか)(幕別町)で開墾の準備を進める父を、母や弟とともに訪ねている。
- 春夫はその夏、父の馬に乗ったり、近くの森の中のアイヌ集落を「見物」に行ったりしてすごし、熊野に戻る。
- 年譜によれば、明星に投稿した短歌が石川啄木の選に入り、短歌や詩の道に本格的に進んだのがこの年だ。(文・谷口雅春 写真・露口啓二)
(2014-06-18 朝日新聞)
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