〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

近年の啄木祭を振り返る ズームアップいわて

  • 啄木の古里玉山で長年開かれている啄木祭は、多彩なイベントで啄木の魅力を探り、顕彰する役割を果たしてきた。近年のイベントを振り返ると、啄木の魂は決して色あせることなく、現代を生きる人々の心に共鳴していることが分かる。
  • 2003年、啄木同様に短い人生を駆け抜けるように逝った尾崎豊さんとの共通性。2007年、芥川賞作家新井満さんが作曲した「ふるさとの山に向ひて」を合唱。2010年、トークショー直木賞作家の高橋克彦さん、荒俣宏さんも啄木を高く評価した。


ゆかりの地サミット

  • 関係者5人が、それぞれの立場から漂泊の歌人の魅力などについて語り合った。
  • 啄木終焉の地、東京都文京区の成沢広修区長「盛岡市とさらに連携を深めていきたい」、釧路市の小松正明副市長「啄木が釧路で一気に文学的才能を開花させたことは私たちの誇り」、札幌啄木会の太田幸夫代表「啄木のころの北海道の鉄道の状況を、啄木ほど克明に書き残した文学者をほかに知らない」、函館市教委の山本真也教育長「啄木には不思議な魅力があったのではないか」、盛岡市の谷藤裕明市長「啄木の魅力はやはり『人』。日本の将来を見通す先見性も持ち合わせていた」とそれぞれに評価した。

(2012-06-03 岩手日報>特集)