〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

講演「石川啄木没後100年 閉塞に立ち向かう啄木」京都


[アオキの雄花]


閉塞に立ち向かう啄木を語る 田中礼京大名誉教授が講演

  • 「週刊しんぶん」京都民報創刊50周年を記念した講演会「石川啄木没後100年 閉塞に立ち向かう啄木」が14日、下京区のしんまち会館で行われ、京都府内だけでなく大阪、兵庫、滋賀などの各県から歌人や研究者ら70人が参加した。講演者は石川啄木研究の第一人者の田中礼京大名誉教授。
  • 田中氏は、啄木が詠んだ歌や執筆した評論などと啄木が生きた26年間の時代背景、戦争へと向かう時代の中にありながら、新しい社会への希望を見出そうと準備していた雑誌創刊の動きなどについて詳しく解説した。
  • 啄木に対する「泣き虫、ぐーたら」との評価について、「決してそうではない」と指摘。韓国併合大逆事件特高警察の創設など国が戦争へと向かう中で、幸徳秋水社会主義者の影響を強く受け、またロシアの革命家・クロポトキンの著書を愛読するなど、「助け合いと連帯の思想を内部に築いていった」と述べ、閉塞の時代を打開しようと動き始めていた啄木を紹介した。

(2012-04-16 京都民報>ニュース>社会)