2012-01-07 1月1日付・大切なもの 啄木 広場 〈何となく今年はよい事あるごとし 元日の朝、晴れて風なし〉。石川啄木がこの歌を詠んだのは25歳の正月。借金苦に身内の不幸が重なり、八方ふさがりだった。苦境脱出の願いを元旦の澄み切った空に託したのだろう。 大震災の年から一夜明け、誰しもが、良きことあれかしと祈る朝。 大震災で、目には見えなくても大切なものがたくさんあることに私たちは気づかされた。自分をごまかさず、本当に大切なものを大切にする。2012年はそんな年でありたい。 (2012-01-01 四国新聞>香川ニュース)