【ユズリハ】
“鳴潮”
「一握の砂」刊行から100年
- 石川啄木が最初の歌集「一握の砂」を出し、歌壇に新風を吹き込んだのは1910(明治43)年のことだった。当時25歳の啄木は、妻子を抱えて極貧の生活をしていた
- <はたらけど/はたらけど猶わが生活楽にならざり/ぢつと手を見る>は、そんな暮らしの中から生まれた。啄木と親交のあった言語学者・金田一京助によると、一家の米びつはいつも空っぽで、ほとんど餓死線上をさまよっていたという。
- その「一握の砂」の刊行から今年でちょうど100年になる。しかし、啄木の短歌は古びるどころか、いよいよリアリティーを増すようだ。
(2010-01-29 徳島新聞Web>鳴潮)