【ハナニラ】
『日本人よ!』
- イビチャ・オシム 著 長束恭行 訳 新潮社
- 2007年 1200円+税
2007年6月、アジアカップ直前に書いたオシム元監督の“日本人へのメッセージ”である。
-
-
- サッカーとは、人生である。人生で起こることは、すべてサッカーでも起こる。人間が一生涯で経験できるものすべてが、サッカーでは非常に短い時間の中で起こりうるのだ。
-
『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』(ロバートフルガム著)に似てなくもない。
日本を愛しているからこその言葉がたくさん書かれている。
-
-
- まず、できること。日本人は間違いなく身体の大きさが欠けている。60kgの選手が90kgの選手とぶつかったら負けるのは当然。それを補うには、まず走る。いつ走るか、なぜ走るか、どうやって走るか、どこへ走るか。走りの質が大事。
- 日本には「以心伝心」という言葉がある。しかし、試合中に選手の声がない。サッカーとはコミュニケーションをしなければならないゲームなのだ。「気をつけろ、背後だ」などと叫ばなければならない。
- 終わるまではすべてが起こりうる。人生はだいたいそうだし、サッカーでは常にそうだ。
-
先月に退院したオシムさんは、「私のように重症でも、助言に耳を傾け、規則正しく努力すれば社会復帰できることを証明した」と述べた。「スタジアムに足を運び、もっと走れ、もっとプレースピードを速くしろ」「良いプレーをした時には大きな拍手を」と、お願いもしている。
体も大きいが心も大きい人だ。