〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「卒論に啄木を取り上げたものがいる」という喜びをつづった金田一京助の手紙も

不忍池

盛岡てがみ館で企画展「学者たちの手紙」 植物学者・牧野富太郎の手紙も

 学者の手紙などを展示する企画展「学者たちの手紙」が現在、盛岡てがみ館(盛岡市中ノ橋通1)で開かれている。

  • 企画のきっかけとなったのは、植物学者・牧野富太郎の手紙が同館に収蔵されていることだったという。牧野富太郎NHK朝の連続テレビ小説「らんまん」のモデルになっていることから、「この機会に収蔵資料を紹介したい」という思いで企画。担当学芸員の山崎円さんは「ここに収蔵されていることにとても驚いたし、たくさんの人に見てもらいたいと考えた」と話す。今回の展示では、植物学者の牧野にちなみ、7人の学者を手紙や書籍、写真などを通じて紹介する。
  • 牧野の手紙は3通を展示。盛岡高等農林学校の植物学教授・富樫浩吾や同校に勤めていた雪ノ浦参之助に宛てた手紙が並ぶ。
  • ほか6人の学者は、言語学者金田一京助や物理学者の田丸卓郎岩手医科大学の初代学長も務めた血清化学・法医学者の三田定則、刑法学者の小野清一郎など盛岡・岩手に縁のある人物を紹介。金田一京助が大学教授時代、石川啄木の研究をしていた吉田孤羊へ宛てた手紙には「卒業論文石川啄木を取り上げたものがいる」という喜びをつづっている。ローマ字の普及に努めた田丸卓郎の年賀状はローマ字で「SINNEN OMEDETOU!」と書いてある。

(2023-07-14 盛岡経済新聞)

 

盛岡てがみ館で企画展「学者たちの手紙」 植物学者・牧野富太郎の手紙も