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愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想
ひとの愛しみを。 ― 高畑耕治の詩とエッセイ
詩と短歌の文語表現
- 数日、近代歌人の短歌を数多く読んでいると、悲しカリケル、想ハルル、ケラシモ、カモ、カナ、ハモ、これらの日常からかけ離れた韻文文語は日常語散文口語のあまりにどこにでもあたりまえにあるあじけなさを、言葉の葉をくすぐり翻らせ光らせささめかせ舞い散らせる、微かな風の音のようだと感じます。
- 今も愛唱され続け、わたしも好きな石川啄木の短歌は、三十一文字だから、使われる文語もかぎられていて、わからない感はなんとなく薄らぎゆるせて、今使われない言葉の響きも、韻律として快く聞き流せる、のだと思います。文語だけの詩は読みとるために求められる努力に、軽やかさが壊されてしまうけれど。外国語の詩を翻訳しながら読むことに似て。
(2023-05-07 愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想)