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「フルベッキ伝」書評 近代日本動かしたお雇い外国人
[著]井上篤夫
明治天皇や明治政府に厚遇され、滞在すること40年。日本の近代化に大きな役割を果たしたフルベッキの知られざる生涯を、生地オランダも含めたゆかりの地での綿密な取材と、新発見・…
- ギドー・F・フルベッキの名は断片的に語られるにせよ、全体像は詳細に知られているわけではない。幕末から明治の後半まで日本に滞在し、近代日本の教育、政治、国憲(憲法)草案、外交、宗教などの分野で礎を築く役を果たした。
- 日本語を自由に操り、オランダ語、英語、ドイツ語、フランス語に通じ、新政府の翻訳局で法典の翻訳もしている。
- 明治11年にアメリカに住むが、生活が苦しかったのか、翌年日本に戻る。そのあとは宣教師、伝道者の役に徹し、聖書翻訳や賛美歌の編集などを行う。その文語訳は石川啄木、夏目漱石らに影響を与えた。
フルベッキ伝 著者:井上篤夫 出版社:国書刊行会 ジャンル:伝記
評者 保阪正康(ほさかまさやす) ノンフィクション作家
(2022-11-19 朝日新聞)
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