5月20日は「ローマ字の日」。日本語とローマ字の関係は意外と密接です
古屋裕子
- 身の回りに横文字やカタカナ言葉があふれる現代は、特に「ローマ字」を意識することなく生活しています。またの呼び名は「アルファベット」。A、B、C、と先頭の文字の名前をとったこちらの方がよく使うでしょうか。
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・ローマ字だから発祥はローマ?
・漢字が消える!?日本語はローマ字で!
・ローマ字で日記を書く!読まれたくない?いいえ、文学への挑戦なのです
ローマ字で日記を書く!読まれたくない?いいえ、文学への挑戦なのです
ローマ字で書かれた本として石川啄木の『ROMAZI NIKKI』(ローマ字日記)が知られています。啄木といえば
「ふるさとの 訛なつかし 停車場の人ごみの中に そを聴きにゆく」
「たはむれに 母を背負ひてそのあまり 軽きに泣きて 三歩あゆまず」
歌集『一握の砂』のこんな歌を思い出します。肺を患って若くして貧乏のうちに亡くなった歌人、というイメージがありましたが、この日記は明治時代を生きた青年が日々の生活をありのままに吐露している点で、生身の人間の熱気を感じます。
なぜローマ字で書いたのかについては、万が一奥さんに読まれてもわからないようにともいわれていますが、明治政府が考えていたローマ字の普及運動に真剣に取り組みたいという思いも書かれています。
ローマ字という新しい表現手段で自身の文学を築こうとした啄木の心意気には、新しい日本を背負って行こうという明治のエネルギーが溢れていたのだと気づかされました。
(2020-05-20 日本気象協会)
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