風土計 岩手日報
石川啄木の周りには、子どもがよく群がった…
- 石川啄木の周りには、子どもがよく群がった。「一昨日も昨日も今日も、高等科の児等が遊びに来た」「一体自分はよく小児らに親(したし)まれる性と見える。そして自分も小児らと遊ぶのが非常に楽しい」。日記に書いたように、子どもの気持ちが分かる人だったのだろう。子ども心をわすれない人だった、と言えるかもしれない。そんな大人が昔は地域にいた。
- 子どもの日のきょう、不安を抱える小さな心にさまざまなメッセージが発せられる。児童生徒の希望とは関係なく、9月入学も検討される。ある調査では10代以下の8割近くが9月入学に反対した。
- 啄木のように、子どもと遊ぶ一風変わったおじさんは地域からいなくなった。でも今、すっと心に入るのは、そういう人のメッセージとも思える。こども時代を忘れず、小さな気持ちが分かる人の。
(2020-05-05 岩手日報)