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エッセイスト・犬山紙子さんのために選んだ一冊とは?/木村綾子の『あなたに効く本、処方します。』
木村さんが処方した本は…『石川くん(枡野浩一)』と『日本文学盛衰史(高橋源一郎)』
- 『石川くん』(集英社文庫)「サイテーなのに、なぜか憎めない。そんな啄木がユーモラスに描かれてるの」(木村さん)
- 犬山「「石川くん」っていうのは、石川啄木のことでいいんだよね?」
- 木村「そう。石川啄木の短歌が、現代歌人・枡野浩一さんの解釈で現代語訳に表現されてる本がこれ。エッセーからは啄木のひととなりにも触れられるよ。たとえばほら、啄木の歌にある“一度でも我に頭を下げさせし人みな死ねといのりてしこと”が、枡野版になると…」
- 犬山「“一度でも俺に頭を下げさせたやつら全員死にますように” おおお!これこれ!いま完全に独歩の声で脳内変換された!これもう、解釈一致がはなはだしい」
- 木村「『日本文学盛衰史』(講談社文庫)これは、二葉亭四迷からはじまる近代文学作家の人となりと作品を、小説家でもあり評論家でもある高橋源一郎さんが解釈を加えて小説にした一冊。でね、その“解釈”ってのが、ぶっ飛んでて最高なの!」
- 犬山「ここにも啄木が出てくるんだ? 啄木の“友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買ひ来て妻としたたむ”が枡野訳されると……。“友達が俺よりえらく見える日は花を買ったり妻といちゃいちゃ” ああ、たまんない…。まさに私の描いてた妄想世界です……」
- 木村「犬山の萌えが爆発してる(笑)。お気に召してなによりだよ」
(2019-06-16 Hanako.tokyo)
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