〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

 啄木 妻へバイオリンの弦を買う愛妻家


[クリスマス]


石川啄木記念館>与謝野鉄幹、晶子との交流ひもとく 日記や原稿80点展示

  • 岩手県盛岡市渋民の石川啄木記念館で、企画展「啄木と与謝野寛・晶子」が開かれている。啄木が与謝野家に居候していた頃の日記や、啄木をしのぶ夫妻の原稿など約80点を展示し、交友を紹介している。
  • 啄木は旧制盛岡中学(現盛岡一高)在籍中の1902年、寛(鉄幹)が創刊した文芸誌「明星」への短歌掲載を機に文学で身を立てると決意。同年上京し、与謝野夫妻と対面した。浪漫主義を掲げる明星は自然主義文学の台頭とともに売れ行きが減少。与謝野家に身を寄せた啄木は日記に、月々の生活費90円は歌人晶子の原稿料で賄っているなどの内実をつづった。
  • 啄木の没後、与謝野夫妻はそれぞれ啄木への思い出を原稿に残した。晶子は啄木が故郷に帰る汽車賃がないと言いながら、妻への土産にバイオリンの弦を買った逸話を披露。作品イメージと異なる啄木の愛妻家ぶりが垣間見える。来年1月8日まで。

(2017-12-18 河北新報


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