〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

 啄木は「困難ななかでも挫折せず、限られた命を完全燃焼した」講演会


[ギボウシ]


「函館と啄木、思いめぐらす」[函館新聞]

  • 石川啄木来函110年記念講演会「啄木と函館」(函館市文化・スポーツ振興財団主催)が26日、函館市公民館で開かれた。啄木ソムリエの山本玲子さん、啄木のひ孫の石川真一さん、日本近代文学会会員の桜井健治さんを迎え、函館で過ごした132日間に思いをめぐらせた。
  • 元・石川啄木記念館学芸員の山本さんは「啄木を待っていた函館〜矢ぐるまの花の咲く頃〜」と題して講演。
  • 続いて、石川さん、桜井さんを交えた鼎談では、ちょうど110年前の8月に起きた函館大火(明治40年)に言及。啄木が函館を離れざるを得なくなった大惨事で、日記に「大火は函館にとりて根本的の革命なりき」などと書いた描写を桜井さんは「群を抜いている」と評価。
  • 一方、石川さんは「(曾祖父は)皆さんと同じように歴史上の人物でしかない」と前置きし、「好奇心旺盛な人だったので、大火がなくてもいずれは新天地を求めていったのでは」と述べた。また、桜井さんは「啄木は最後まで貧困から抜けきれず、結核という病気からも救われなかったが、困難ななかでも挫折せず、明治という時代に限られた命を完全燃焼した」などと述べた。


(2017-08-27 函館新聞


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