[スイカズラ]
「きょうのコラム『時鐘』」 [北國新聞]
- 「子奴(こやっこ)といひし女のやわらかき耳朶(みみたぼ)なども忘れがたかり」。明治の歌人、石川啄木が北海道の釧路で新聞記者をしていた時の歌である。子奴とは啄木お気に入りの芸者で、22歳の啄木は金もないのによく遊んだ。その当時の遺品が釧路市に寄贈されたとの記事があった。同郷の親友で後に言語学者となった金田一京助の色紙なども含まれているという。
- 二人の友情は不思議なものだった。金田一が啄木の才能を買ってひたすら援助した。自分が借金をしてまで啄木に金を貸した。
- 世紀の著書「資本論」を残したマルクスと共同研究者エンゲルスの関係もそれに似ていたとされる。マルクスは生活力がないのに浪費家で暮らしはエンゲルスに頼った。支援されて当然だと思う天才と才能を世に送り出すパトロン役。一方通行でも友情は友情なのだろうか
(「子」奴 →「小」奴)