[シダレザクラ]
- 「不来方(こずかた)のお城のあとの草に寝て空に吸はれし十五の心」。明治43(1910) 年の石川啄木の一首。啄木は故郷、岩手の盛岡中学の生徒で、お城は学校の近くに あった盛岡城だ。
- 大の字に寝転んで青空を見上げていると体だけでなく心まで吸われていく。青春 真っ盛りの日を大人になった啄木が回想したものだ。貧困と孤独の人生を送った人で あったからか、甘酸っぱくも少し切ない。今も昔も それが青春というものなのかもしれない。 それでも現代の若者は情報があふれる中、 家族や友人関係、勉強にと誰にも言えない悩みにあえいでいる。
- 昨春10代向けの相談サイト「Mex(ミークス) 東京版」を始めた東京都新宿区の「3Keys(スリーキーズ)」が6月に「全国版」をスタートさせるという。膨大な情報の中から 信頼できる団体にたどり着け、さらに適切な支援が受けられるようにするのが狙いだ。 相談相手がおらず、青空が見えないでいる若者は少なくない。