〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

熱気にあふれた“国際啄木学会セミナー" in 高知


[スイカズラ]


展望台 < 岩手日報

  • 国際啄木学会セミナーを取材するために先日、高知市を訪れた。啄木自身は関東より西に行ったことはなかった。しかし父一禎は、次女トラの夫である山本千三郎の赴任先の同市で晩年を過ごし、76歳で亡くなる。
  • 妻や、息子らに先立たれて長生きした一禎。つらい事も多かっただろう人生が想像されるが、この地で家族と共に撮られた写真の彼は、ひげをたくわえ、穏やかな表情をしているように見えた。
  • 啄木が晩年に情熱を費やし、その思想に影響を与えた「大逆事件」の首謀者とされた幸徳秋水が生まれたのも高知県。高知は啄木の人生を左右した人たちと関わりが深い地と言えそうだ。
  • セミナーには、同学会の会員のほか、地元の愛好者ら計120人が参加。会場は後方まで埋まり、熱気にあふれていた。(阿部友衣子)

(2016-06-25 岩手日報